【資格の活用】名刺への資格・肩書きの入れ方・考え方~名刺に入れる資格と入れない資格、名刺に資格を入れるべき位置~
<随筆>
資格分類として、大きく分けて3種類あり、名称独占資格、設置義務資格、業務独占資格があります。
※詳しくは、末尾に過去記事で紹介したリンクを貼りましたので、参考にしてみて下さい。
この資格の分類で、名刺に記入すべき(入れるべき)資格と記入すべき(入れるべき)位置について、私見を紹介します。
1.名称独占資格を名刺に入れる考え方
名称独占資格とは、資格を持っている人だけが、その名称を名乗ることができる資格です。まぎらわしい名称を用いることも禁止されています。
私が、名称独占資格で保有する資格としては、技術士(技術コンサル系)、労働安全コンサルタント(労働系)が該当します。
法律にて「名称を用いて・・・」の文言がある資格で、登録証がなくても、仕事は可能ですが、資格があれば、更に信用が得られる看板の役目を果たします。(「信用失墜行為の禁止」「守秘義務」など、法令で義務化されています)
私は、技術士や労働安全コンサルタントとして活動しているため、工学博士や医学博士などの博士号を取得している方の名刺を頂いたことがあります。
その場合、資格の肩書きより、博士号の方が上位に記載している方がほとんどです。
博士号取得までの研究や論文に費やした時間を考えれば、当然なのかも知れません。
工学博士の後に、技術士(○○部門)、医学博士の後に、労働衛生コンサルタントなどの様に。
博士は、学校の先生や研究、及び会社を辞めても一生、博士です。
同じように名称独占資格である、技術士や労働衛生コンサルタントについても、研究や会社を辞めても、技術士や労働衛生コンサルタントを継続できます。
このように、現在、所属する立場が変っても、継続できる名称独占資格は、当然名刺に入れてよいと考えており、私もそうしています。
私は、電気主任技術者やエネルギー管理士などの設置義務資格、及び電気工事士などの業務独占資格を保有していますが、名称独占資格である技術士と労働安全コンサルタントしか、名刺に入れていません。
それは、立場が変っても一生継続できる名称独占資格を看板として、優先しているためです。
なお、業務独占資格や設置義務資格を名刺に入れる場合の考え方は、後述します。
一生の肩書きとなる博士、技術士、労働衛生コンサルタントなどは、名刺のどの位置に入れるべきか。
名前の下に、入れる場合もありますが、名前の上に、入れるべきというのが私の考えです。
私が尊敬する武田邦彦先生は、ある地方の結婚式に呼ばれて、スピーチを頼まれました。
司会者からの紹介で、通常であれば、「〇〇大学△△学部教授 武田邦彦」と現在の所属組織の肩書きで紹介されることが、多かったそうですが、その地方の結婚式では、「工学博士 武田邦彦」と紹介されたことで、武田先生が、この地方は、古きよきしきたりを守り「さすがだな!」と感じたそうです。
要するに、大学の教授は、その時点の組織の肩書きであるが、工学博士は、一生変らない肩書きであるため、工学博士を優先して紹介するのは、大学名や会社名の組織でなく、一個人としての肩書きを優先して紹介しています。つまり、大学や会社の名称ではなく、個人を尊重しています。
このように、一個人として一生の肩書きであれば、名前の前に持ってきても良いという考えです。
現在の私の名刺は、名前の前に、技術士(〇〇部門)と労働安全コンサルタント、名前の後に、会社名や所属、及び役職としています。
一個人の紹介が先で、その後に属する組織の紹介といったところです。
例1.博士や名称独占資格の名刺記載例
2.設置義務資格(必置資格)を名刺に入れる場合の考え方
設置義務資格とは、特定の事業を行う際に、法律で設置することが義務づけられている資格です。
私が、設置義務資格で保有する資格としては、衛生管理者(労働系)、電気主任技術者(設備・管理系)、エネルギー管理士(設備・管理系)、危険物取扱者(設備・管理系)、施工管理技士(工事・施工系)などが該当します。
該当する事業を行う際に、必ず1人以上資格を持っている者を置かなければならない資格です。
この場合、所属する組織で、選任されているなら、設置義務資格を名刺に入れてもよいと考えますが、選任されていないのであれば、入れない方がよいというのが、私の考えです。
選任されていないのであれば、その立場にないからであり、只の資格保有者です。
設置義務資格名を入れるべき位置は、組織で選任されて初めて、その職を名乗れるので、組織名の後に入れるのがよいでしょう。
例えば、
〇〇株式会社 △△部門 □□工場 保全課 電気主任技術者・エネルギー管理士
などです。
例2.設置義務資格の名刺記載例
また、組織の下に役職名が入っていて、設置義務資格と兼任している場合には、名前の下に入れるのもありだと考えます。
以上、設置義務資格は、組織で選任されている場合のみ、名刺に記載すべきというのが私の考えです。
但し、電気主任技術者の外部委託や、施工管理技士の現場監理技術者など、組織を離れて個人で活動するケースがあり、その場合には、名前の下に、入れてよいと考えます。
3.業務独占資格を名刺に入れない考え方
業務独占資格とは、資格を持っている人だけが、独占的にその仕事を行うことができる資格です。
私が、業務独占資格で保有する資格としては、消防設備士(設備・管理系)、電気工事士(工事・施工系)、クレーン運転士(労働系)、無線従事者(通信系)が該当します。
免許がない者は、その仕事自体を行ってはいけない資格です。
この場合、業務独占資格の代表格である医者を例にとって説明します。
医者は、医師免許を持っていないと医療行為を行えません。
労働安全コンサルタントをしている仕事柄、お医者さんの労働衛生コンサルタントから頂いた名刺には、名前の上に、〇〇院長や医学博士(△△科)、名前の下に、□□専門医などがありますが、医師という表記は見当たりません。
これは、医者は病院に勤めて当然医師免許を持っているため、敢えて記載していません。病院自体が身元を保証して仕事をさせています。
これに倣って、電気工事士は、電気工事会社が、消防設備士は、消防設備メンテ会社が身元を保証し、仕事をさせているため、会社などの組織に所属して仕事をしている場合には、業務独占資格名を敢えて名刺に記載しないというのが私の考えです。
但し、個人事業主や一人親方で、電気工事士をしている方、消防設備士をしている方は、名前の下に記載し、信用や宣伝効果を求めるのは、よいでしょう。
業務独占資格でも、弁護士などは、偽弁護士など個人の信用問題があるため、名刺に資格名を記載しています。
4.設置義務資格(必置資格)や業務独占資格をどうしても名刺に入れたい方に
私は、設置義務資格や業務独占資格を名刺には入れていませんが、どうしても入れたい方は、名刺の裏面に【保有資格】として、自己PRを兼ねて記載したらどうかと思います。
例3.保有資格の裏面記載例
これであれば、設置義務資格で組織の選任を受けていなくとも、又は、業務独占資格で今はその仕事をしていなくとも、記載事項に不備がありません。
5.組織の上司として名刺への資格記載の考え方
以前の職場で、技術士と労働安全コンサルタントを名刺に入れたい、とお願いしたら、認めてくれたのがほとんどですが、ある上司はダメだと言いました。
その理由は、危険物取扱者など他の人も、資格を持っているのに入れていないからとのことで、上司と、その上席者も同じ考えだとのことでした。
その理由を聞いて、名称独占資格と、設置義務資格や業務独占資格の違いを、こんな上司に話しても仕方ない、と諦めて引きました。
名称独占資格を取得することで、資格勉強の過程で多くの専門的知識が得られ、本人の看板になるのですが、部下のモチベーションを理解してあげられないのは、心の狭い悲しい人です。
今回の記事で述べた考え方を抑えておけば、部下から名刺への資格記入をお願いされた場合に、論理的に説明し納得していただけるものと考えます。考え方の参考にしてみて下さい。
以上
<資格の分類や名称独占資格に関する過去記事>
【資格取得】業務独占資格や名称独占資格などの資格分類について ~4つの分類~
【資格取得】技術系資格における業務独占資格や名称独占資格などの資格分類について
https://www.licenseengineer.com/archives/913
【資格取得】名称独占資格には実質的な特典がないのか? ~資格取得による看板と技術士の特典~
https://www.licenseengineer.com/archives/927
【資格取得】一生の肩書きとなる名称独占資格の意義~業務独占資格や設置義務資格では得られない真の価値~
【資産形成】人生100年時代 50歳以上の「第2の人生」までに準備すべきランキングベスト5 ~資産運用、健康づくり、趣味づくり、資格の取得、交友関係~
<厳選記事まとめ>
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