【資格取得】ガス事業法と電気事業法の技術用語の対比 ~主任技術者試験エネルギー用語の類似比較~
先の記事「【資格取得】ガス主任技術者(甲・乙・丙種)とは ~電気主任技術者(電験)との比較~」で資格の対比を紹介しました。
エネルギーに関する技術用語についても類似している部分がありますので、以下の表で比較してみます。
ガス事業 |
電気事業 |
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用語 |
意味 |
用語 |
意味 |
ガス圧 |
ガスの圧力。単位はPa(パスカル) |
電圧 |
電気を流そうとする「圧力のようなもの」である。単位はV(ボルト) |
圧力計 |
気体や液体の圧力を測定するための計測機器 |
電圧計 |
電気回路の電圧を測定するための計測機器 |
低圧 |
0.1MPa未満の圧力 |
低圧 |
直流にあっては750ボルト以下、交流にあっては600ボルト以下のもの |
中圧 |
0.1MPa以上で1.0MPa未満の圧力 |
高圧 |
直流にあっては750ボルトを、交流にあっては600ボルトを超え、7000ボルト以下のもの |
高圧 |
1.0MPa以上の圧力 |
特別高圧 |
7000ボルトを超えるもの |
整圧器 |
ガスを減圧するための機器 ガバナとも言い、自力式調整弁の総称 |
変圧器 |
電圧を変える(=変圧する)ための機器 |
流量 |
一定時間にどれだけの量のガスが流れるかを示したもの 単位は「○○mL/min」や「○○m3/h」など |
電流 |
電荷が運動する現象。導体の断面または他の任意の面を単位時間に通る電荷の量を電流の強さといい,単位はA(アンペア) |
流量計 |
ガスの流量を測定するための計測機器 |
電流計 |
電流を測定するための計測機器 |
ガスメーター |
使用したガスを計量する機器 有効期限:10年又は7年(最大使用流量16m3/h超過) |
電力量計 |
電力を積算し計量する電気計器 有効期限:単独計器で10年又は7年。 変成器付計器で7年または5年 |
ガス遮断装置 |
自動ガス遮断装置とは、都市ガス警報器やフード等用簡易自動消火装置と連動して、火災などの危急時にガスの供給を遮断する装置。遮断弁と操作器から構成。主に業務用厨房内で安全にガスを使用するために設置している。 |
電流遮断器 |
電気関係で「遮断器」とは、電気回路の故障(または異常)電流を自動的に速やかに遮断する(とめてしまう)器具のこと。 過電流遮断器は、電線に流れる電流が増大し電線が熱くなったり、電動機などの電気機器が焼損したりしないように、許容値を超える電流が流れると自動的に電気をとめてしまう働きをする。 |
ガス漏れ |
圧力の高い気体を封じ込めた容器、流路(配管など)から低圧の空間に気体が漏れることをいう。一般に、天然ガスが配管から漏れ出ることを言うことが多い。圧力の高いガスは低圧側に漏れ出る性質があり容器、配管などは漏れでないような構造、品質管理が行なわれているが、組立上の不備、部材の経年劣化、取扱いなどによる亀裂などで漏れ出ることがある。 |
漏電 |
電線や電気機器は、電気が外に漏れないように電気の通り道や充電部分を塩化ビニルなどの絶縁物で覆っている。 しかし、この絶縁物が古くなったり傷ついたりして絶縁性能が悪くなると、電気が本来の通り道を外れて、電気機器の金属ケースなどに漏れてしまう状態を漏電という。 |
ガス漏れ警報器 |
ガス警報器またはガス検知器とは、漏れた燃料用ガスや不完全燃焼によって生じた一酸化炭素(CO)を検知して警報を発する装置である。 |
漏電火災警報器・漏電遮断器 |
漏電火災警報器は、商用電路に火災に至るような漏電が発生した際に警報を発し、火災を未然に防ぐもの。 漏電遮断器は、漏電による漏れ電流を検出して回路を自動的に遮断する機能をもつ遮断器である。 |
耐圧試験 |
高圧ガス設備は、常用の圧力の1.5倍以上の圧力で水その他の安全な液体を使用して行う耐圧試験に合格するものであること。
液体を使用することが困難であると認められるときは、常用の圧力の1.25倍以上の圧力で空気、窒素等の気体を使用して行う耐圧試験に合格するものであること。 |
耐圧試験 |
耐電圧試験とは、電気製品や部品が使用電圧に対して十分な絶縁耐力があるかどうか(絶縁破壊をしないかどうか)を確認するための試験。
通常取り扱う電圧の10倍から20倍の交流電圧または直流電圧で、規定された電圧を規定された時間印加したとき、絶縁破壊を起こさなければ、その絶縁物は十分な絶縁耐力を持つと判断される。 |
安全弁・ 圧力上昇防止装置 |
ガス,蒸気,液体などの作業流体を取扱う機器または配管において,作業流体が規定の最高圧力をこえるのを防止するために取付ける弁。ボイラなどの圧力が規定値以上に上がると安全弁が自動的に開いて蒸気や気体を逃し,再び規定の圧力まで下げる作用をする。 |
避雷器 |
避雷器は、発電、変電、送電、配電系統の電力機器や電力の供給を受ける需要家の需要機器、有線通信回線、空中線系、通信機器などを、雷などにより生じる過渡的な異常高電圧から保護する、いわゆるサージ防護機器のひとつである。 |
過熱防止装置 |
ガス機器本体が異常に過熱した際に自動的にガスを遮断する装置。 |
過電圧継電器 |
過電圧継電器(OVR)とは、異常な電圧を検知し、関係機器に指令(発電機の停止、遮断器の切などの信号)を送るための継電器である。 |
ガス工作物 |
ガス工作物とは、一般家庭で使われる燃料ガスの製造から供給までに関わる設備の総称。取り扱いや設置を間違えると大事故につながる恐れがあるので、ガス事業法という法令で技術基準が定められている。 |
電気工作物 |
電気工作物とは「発電、変電、送電、配電または電気の使用のために設置する機械、器具、ダム、水路、貯水池、電線路その他の工作物」と定義されている。この内、船舶、車両、航空機に設置されるものは除かれるので、一般的には建築物に設置される発変電・送配電設備が電気工作物として定義される。 |
ガス用品 |
一般消費者等がガスを消費する場合に用いられる機械、器具,材料と定められる。消費機器とは、ガスを消費する場合に用いられる機械又は器具(付属装置を含む)と定められている。機械とは、コジェネなどを指す。 |
電気用品 |
一般用電気工作物の部分となり、又はこれに接続して用いられる機械、器具、又は材料、携帯用発電機、蓄電池であって、政令で定めるもの。 一般用電気工作物とは、事業用電気工作物以外の電気工作物をいう。 |
ガス事業 |
自らが維持し、及び運用するガス小売事業、一般ガス導管事業、特定ガス導管事業及びガス製造事業をいう。 |
電気事業 |
自らが維持し、及び運用する送電用及び配電用の電気工作物によりその供給区域において託送供給及び発電量調整供給を行う事業をいう。 |
ガス製造事業 |
自らが維持し、及び運用する液化ガス貯蔵設備等を用いて ガスを製造する事業であつて、その事業の用に供する液化 ガス貯蔵設備が一定の要件に該当するものをいう。 |
発電事業 |
小売電気事業、一般送配電事業又は特定送配電事業のために電気を発電する事業であって、その発電用の電気工作物が経済産業省令で定める要件に該当するもの。 簡単に言えば、自前の発電設備で一定規模以上の電気を発電し、他へ供給する事業。 |
一般ガス導管事業 |
自らが維持し、及び運用する導管によりその供給区域において託送供給を行う事業をいい、当該導管によりその供給区域における一般の需要に応ずるガスの供給を保障するための小売供給を行う事業を含むものとする。 |
一般電気事業 |
改正前の電力会社の送電、配電部門にあたる事業です。送配電網を新たに建設したり、保守メンテナンスをしたり、また電力の需給バランスを調整したりする事業。一般送配電事業者は、正当な理由がなければ、最終保障供給及び離島供給を拒んではならないと定められている。 |
特定ガス導管事業 |
自らが維持し、及び運用する導管により特定の供給地点において託送供給を行う事業をいう。 |
特定電気事業 |
改正前の特定電気事業者の送電部門や自営線供給を行っている特定規模電気事業者の送配電部門等にあたる事業です。 |
ガス小売事業 |
小売供給を行う事業(一般ガス導管事業、特定ガス導管事業及びガス製造事業に該当する部分を除く)をいう。 |
小売電気事業 |
一般家庭やビル、工場などに電気を供給する事業です。電力の調達、販売、顧客への営業を行う事業。 |
製造設備 |
ガス発生設備(ガス発生器、増熱器)及びガス発生設備と一体となってガス製造の用に供される設備(ガス精製設備、ガスホルダー、排送機又は圧送機、附帯設備) |
発電設備 |
水力発電、火力発電、原子力発電、地熱発電、新エネルギー発電の5種類が代表的発電システムとされる。新エネルギー発電としては、太陽光発電設備や風力発電設備などが該当する。 |
導管 |
ガス製造所の出ロバルブから、需要家(消費者)の末端ガス栓までの管 |
送・配電線路 |
送電線路とは,発電所相互間,変電所相互間または発電所と変電所との間の電線路(もっぱら通信の用に供するものを除く。以下同じ)およびこれに附属する開閉所その他の電気工作物をいう。 配電線路とは,発電所,変電所もしくは送電線路と需要設備との間または需要設備相互間の電線路およびこれに附属する開閉所その他の電気工作物をいう。 |
移動用ガス発生設備 |
導管等の工事時、及び災害その他の非常時に、既に供給している使用者に対してガスを一時的に供給するための移動可能なガス発生設備 |
移動用発電機車 |
トラックやトレーラに原動機、発電機及び付帯設備を搭載した移動式の自家発電装置です。 災害時や大規模停電時等の非常電源、配電線工事や点検時等の臨時電源として威力を発揮する |
以上のように、ガス事業と電気事業は、事業用語や設備用語、及び技術用語で類似対比できるものが多数ありました。
これは、ガス事業法(昭和29年3月31日法律第51号)が電気事業法(昭和39年7月11日法律第170号)よりも10年古い制定であり、監督所管がいずれも経済産業省であるため、事業用語や設備用語が類似したと考えられます。
技術用語については、水は高いところから低いところに流れる普遍的な考えと同じで、ガス圧や電圧が基本となり、安全や品質に関する専門的な技術の向上が図られてきました。
よって、ガス事業と電気事業は、事業用語や設備用語、及び技術用語について、類似的な対比ができる項目が多数あるため、今回、表を作成し列挙してみましたので、参考にしてみて下さい
関連記事:【資格取得】ガス主任技術者(甲・乙・丙種)とは ~電気主任技術者(電験)との比較~
以上
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