【電気設備技術基準】接地工事の種類・施工・注意点
1.電気設備の接地工事の種類と施工
電気設備の接地は、感電や火災から人や物を守る上で規定通りに施工することがとても重要です。
今回は、電験や電気工事士の試験でも良く出題される「接地」について「電気設備技術基準(通称、電技)」と「電気設備の技術基準の解釈について(通称、解釈)」を基に解説します。
2.電気設備の接地の目的と方法(電技第10条、第11条)
・電気設備の必要な箇所には、異常時の電圧上昇、高電圧の侵入等による感電、火災その他人体に危害を及ぼし、または物件への損傷の恐れがないよう、接地その他の適切な措置を講じなければなりません。
・電気設備に接地を施す場合には、電流が安全かつ確実に対地に通じることができるようにしなければなりません。
<ライセンスエンジニアからの熱中症対策グッズ>
熱中症対策グッズであるサンコーのネッククーラーは、ペルチェ素子で冷えるものです。とてもよく冷えます。しかし、前作のネッククーラーminiは、ファンの音(ペルチェ素子は片方が冷えて片方が熱くなるものです。その放熱板を冷やすためのファンの音)がうるさいと感じるのが難点でした。そのネッククーラーですが破損することがあります。原因として考えらえるのは局部的にすごく冷えるので結露が発生します。その濡れた状態で放置することで錆びが発生しモータが破損することが考えられます。よって、使用後はふき取ってから通気が良い場所で乾燥させるのが長持ちの秘訣です。今年、サンコーから新作のネッククーラーNeoが発売されました。前作のminiは小さい冷却ファンが左右2個づつで合わせて4つ付いていましたが、Neoは少し大きめのファンが左右に1個づつで静かになりました。また強弱が可能になったのがとてもいいです。
※現在は、Neoから更にevoに進化しました。
3.接地工事の種類とその適用(解釈第19条)
<表1 各種接地工事における接地抵抗値と接地線の種類>
なお、電線太さの直径を断面積に換算すると
A種接地工事:5.5㎜2以上(電気設備技術基準、内線規程)
B種接地工事:8㎜2以上(内線規程)
C種・D種接地工事:2㎜2以上(電気設備技術基準)
に相当します。
接地工事は、上記の表1のように、A種、B種、C種、D種接地工事があります。各種接地工事の主たる施設箇所は次の通りです。
(1)A種接地工事
A種接地工事は、高電圧の侵入などのおそれがある以下のような危険度が高い設備に適用します。
a.高圧および特別高圧の機器の鉄台、金属製外箱の接地
b.避雷器の接地
c.特別高圧の計器用変成器の二次側電路の接地
d.高圧および特別高圧の屋内ケーブルの被覆に使用する金属体の接地
(2)B種接地工事
高圧または特別高圧電路が低圧電路と混触したとき、低圧電路の対地電圧が危険電圧まで上昇しないようにするため、原則として混触時の低圧側電位上昇限度を150V以下とするような接地抵抗値に規制していて、以下の設備に適用します。
a.高圧または特別高圧電路と低圧電路とを結合する変圧器の低圧側の中性点の接地
b.300V以下の電路で接地工事を中性点に施せないときの低圧側の1端子の接地
なお、1線地絡電流の実測が困難な場合の高圧電路では、解釈第19条第3項に示される次の計算式で計算した値を使用して接地抵抗を求めることとしている
ただし、
Ig:1線地絡電流〔A〕
V:線路の公称電圧を1.1で除した使用電圧〔kV〕
L:同一母線に接続される架空電線の電線延長〔km〕
L´:同一母線に接続される電力ケーブルの線路延長〔km〕
Igの第2項および第3項が負になる場合は、零とする。
また、接地線の直径の太さは原則4㎜以上の軟導線としているが、解釈第133条に規定する15000V以下の特別高圧架空は、その電線に高圧絶縁電線、特別高圧絶縁電線、又は電力ケーブルを使用する他、規定に準じている場合においては、直径2.6㎜以上の軟導線の使用が可能です。
また、特別高圧電路では地絡電流が大きくなるので、解釈24条、25条によりB種接地工事の最高値を10Ω以下とすることとしています。
(3)C種接地工事
300Vを超える低圧機械器具(交流600V以下、直流750V以下)の架台、金属製外箱の接地など、危険の程度は小さいが、大地に生ずる電位の傾きが比較的大きいものに適用されます。
(4)D種接地工事
300V以下の電路の保安接地であり、機器の鉄台、高圧のPT、CTの二次側の1極、金属管、ケーブルの外被の接地など、危険度の比較的小さいものに適用されます。
4.まとめ(注意点)
接地工事は、危険度が高い順にA種、B種、C種、D種の定めがあります。
B種はやや複雑ですが、A種が特別高圧計器用変圧器の低圧側の接地であるのに対して、B種は発・変電所の高圧計器用変圧器、所内変圧器、及び励磁用変圧器、配電線路の柱上変圧器に関する低圧側の接地が対象となり、接地抵抗値の上限値の計算が複雑ですが、最高値を10Ωとすることとしています。
また、A種、B種については高電圧以上の機器に対する接地工事であり、配電柱については、一般の人が接地線に人が触れるおそれがあることから、ある高さまで絶縁電線などを使用したり、合成樹脂管で覆うなどの規定があります。(解釈第20条)
低圧機器としては100V、200Vが一般的であるため、D種の100Ωとしてしまいがちですが、省エネの観点で400V機器が普及してきていますので、その際にはC種接地にする必要があります。
接地抵抗を低くするには、接地網や接地極を埋設する工事費がかさむため、台数が多い配電線路の変圧器においては、地絡電流から接地抵抗値の最適値を求めて、施工するのがコストダウンに繋がります。
以上
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