【技術士二次試験対策】筆記試験・口頭試験の部門別の合格率を知る ~部門毎に合格率の違いはあるのか?~(2021年版)
先日、2020年度 技術士二次試験の合格発表がありました。
昨年度は、武漢ウイルスの関係で試験日程や合格発表の時期が遅れて、試験の主催者や受験者は、大変な1年だったのでは、ないでしょうか?
合格された方は、おめでとうございます。
残念だった方は、2021年度に向けてのやる気が出てから、試験勉強を早めに再開することをお勧めします。
2020年度の技術士二次試験の合格発表結果より、部門別の筆記試験、及び口頭試験の合格率表を作ってみました。
2020年度の結果分析と、2021年度の全体予想を解説します。
なお、この合格率表の作成は、今回で3年目になります。過去の合格率表により統計を見たい方は、末尾に過去2回分や関連リンクを貼りましたので、参考にしてください。
1.2020年度 技術士部門別 筆記試験及び口頭試験の合格率
2.結果分析
(1)全体の分析
・全体合格率は、11.9%であり、昨年度よりも0.3%アップしましたが、技術士試験が始まってから2018年度の最低合格率、2019年度の2番目に低い合格率に続き、3番目に低い合格率でした。
・資格試験の制度改定があって2回目の試験年となり、新制度が少し定着してきつつあります。しかし、今回は63回目の技術士試験でしたが、過去3番目の合格率の低さからも、合格率が高かったとは言えない結果となりました。
・最終合格率が最も低かったのは、情報工学部門が7.6%(同率首位)、衛生工学部門が7.6%(同率首位)、建設部門が10.3%(下から3位)と、続き1ケタ台の合格率が2部門ありました。なお、この3部門は昨年度も合格率が低いトップ3でした。
・受験者数が11,763人と最も多い建設部門と、受験者が300~400人程度と比較的人数が多い2部門(情報工学部門、衛生工学部門)の合格率が1ケタ台であったことから、全体合格率が11.9%と過去3番目に低い結果となりました。
・なお、2019年度の全体受験者が24,326人から2020年度は20,356人と4,000人程度も減っており、武漢ウイルスにより資格取得のチャレンジ精神が削がれているのかなという印象です。
(2)部門別の分析
a. 筆記試験の分析
・申込者500人以上の部門で比較すると、筆記試験の合格率が一番高いのは機械部門の24.2%であり、次に応用理学部門の17.8%、上下水道部門の16.4%と続いています。
・申込者500人以上の部門で筆記試験の合格率が一番低いのは、衛生工学部門の8.3%であり、次に農業部門の11.1%、建設部門の11.3%と続いています。
・申込者500人以上の部門で筆記試験の合格率が中間の部門は、電気電子部門の14.1%、総合技術監理部門の13.2%です。
b.口頭試験の分析
・申込者100人以上の部門で比較すると、口頭試験の合格率が一番低いのは機械部門の75.7%、次に情報工学の82.1%、上下水道部門の89.2%と続いています。
・申込者100人以上の部門で口頭試験の合格率が一番高いのは、森林部門と経営工学部門の100%であり、次に化学部門の96.7%、農業部門の95.5%と続いています。
c.部門別の特徴(傾向)
・機械部門は、筆記試験で多めに合格させて、口頭試験で25%程度落とす傾向にあります。(この傾向は過去も同様です)
・電気電子部門は、筆記試験で少な目に合格させて、口頭試験であまり落とさない傾向です。今回の口頭試験の合格率が、91.8%と例年の90%以上に達していることから、口頭試験の制度改定に対応できている人が増えてきているといった印象です。(昨年度の電気電子部門の口頭試験は、88.2%であり、例年の90%以上に届いていなかった)
・建設部門は、前年度に引き続き筆記試験の合格率が11.3%と低かったことから、口頭試験の合格率が90%以上に高くなると想定していましたが、91.1%と90%台に達していたことから、こちらも口頭試験の制度改定に対応できた人が多かったものと推定します。(昨年度の建設部門の口頭試験は、89.5%であり、筆記試験の合格率が低かったにも関わらず90%以上に届いていなかった)
3.今後の合格率の全体予想
・建設部門、情報工学部門、衛生工学部門は、2018年度~2020年度で合格率が3年連続で低かったため、この3部門は、2021年度も同じような傾向(合格率がひとケタ台~10%前半)なのではと予想します。
・他の部門についても、全体の合格率が低い傾向が続いている昨今の状況から判断し、10%前半~高くて20%台と低い合格率で推移するものと予想します。
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