【源泉かけ流し名湯紹介】酸ケ湯温泉(青森)の魅力 ~ヒバ造り「千人風呂」の風情~

名湯の紹介

先に【源泉かけ流し名湯紹介】シリーズを立ち上げて1回目は、秋田県・玉川温泉について、2回目は、福島県・飯坂温泉、3回目は、群馬県・草津温泉を紹介しました。

 

今回は、名湯紹介シリーズの第4弾として、ヒバ造りの「千人風呂」の渋く年季の入った雰囲気が魅力の青森県・酸ケ湯温泉を紹介します。

 

酸ケ湯温泉は、2020年7月1日(水)から営業再開しています。 酸ケ湯温泉は、新型コロナウイルス感染症拡大のため2020年4月より休館してまいりましたが、2020年7月1日(水)より全面営業再開しています。全面営業再開を祝して酸ケ湯温泉の魅力を紹介します。

 

※.冒頭の写真がヒバ造り「千人風呂」の全景です。昔風情の年季が入ったダイナミックさが漂ってきます。

1.酸ケ湯温泉(青森)の魅力 ~ヒバ造り「千人風呂」の風情~

 

(1)国民保養施設第1号に指定

 

八甲田山系の最高峰、大岳の西麓にあり、濃厚な硫黄臭を漂わせる酸ケ湯温泉は、昭和29年(1954年)に国民保養施設第1号に指定された、我が国を代表する湯治場です。

 

※昔の建物写真

 

(2)日本を代表する湯治場

 

名前の由来は、湯が強酸性泉でレモネードのように酸っぱかったため、「酸ケ湯」と名付けられました。

 

その歴史は古く、元禄15年(1702年)には、津軽藩直営の湯治場となり、豊富な湯量と効用が知れ渡ると、南部藩(岩手県)や松前藩(北海道)からも湯治客が押しかけました。

 

(3)標高の高さを活かした万病退治

 

酸ケ湯は、標高925mの高所に立地するため、紫外線や山のオゾンが多い高地気候の作用が相まって、「10日で万病に効果があらわれる」と言われています。

 

※高原景色写真

 

その一方で、豪雪地帯としても知られています。

酸ヶ湯は2013年に日本の観測史上最大の積雪量5.66mを記録しました。冬季は付近の道路が雪のため通行止めになることもしばしばです。雪が完全に溶けるのは6月くらいになります。

※豪雪景色

 

(4)強酸性泉

 

酸性度もpH2.0で日本最強クラスの温泉です。(強酸性の代表格である草津温泉は、pH2.1程度)

 

酸ケ湯温泉のpH値は、日本屈指の「強酸性」であることを示す「pH2.0」。1円玉なら一週間、5寸釘は10日程度で溶けてなくなってしまうほど強力な酸性度のお湯です。

 

酸ケ湯温泉は強酸性泉であるため、肌がピリピリっとするのが特徴的です。浸かればわずか10分ほどで皮膚表面が滅菌されるため、非常にクレンジング効果が高い温泉です。

 

(5)広大な一軒宿

 

一軒宿とはいえ、母屋をはじめ4棟からなる湯治部、3棟からなる旅館部、浴舎棟などの屋根が異なり、まさに緑の樹海に浮かぶ広大な空母のようです。

※広大な一軒宿の平面図

※広大な建屋写真

(6)自然湧出6本の源泉湯量と年季が入った「千人風呂」の風情

 

ヒバ千人風呂が成立するには、源泉の湯量の抱負さは、絶対条件です。

 

温泉力を担保するポンプなど使わない「自然湧出」の「自家源泉」6本が豊富な湯量を確保しています。

 

酸性の強い硫黄泉が6本の泉源から自然湧出し、名物の80坪もの広さがあるヒバ造りの「千人風呂」(混浴で、女性タイムあり)が魅力です。

 

この強酸性により湯船や床は、すっかり茶や黒に変色しています。

 

この渋く年季の入った雰囲気が、歴史ある湯治場風情を絶妙に醸し出し、都会人をも非日常に導き、根強い人気を誇っています。

※浴室(ヒバ千人風呂)と年季入浴法看板

(7)古くから伝わる入浴方法

 

入浴する順番は、底から直沸きする「熱(あつ)の湯」からは入り、「四分六の湯」、「冷の湯」、「滝の湯」の湯船に、順に浸かるのが習わしです。

 

※配置図

 

また、「じょうずな酸ケ湯とのつきあい方 十か条」が脱衣所に掲示されていて、湯あたりしない入浴方法や湯治の心得などが記載してありますので、入浴前に確認しましょう。

※十か条2枚

 

また、年季のは入った「入浴エチケットの図」が脱衣場に掲示されており、タイムスイップした感じを味わえます。

 

※入浴エチケットの図

(8)酸ケ湯を愛した著名人(一部、宿に展示あり)

 

a. 鹿内 辰五郎(仙人)

 

酸ヶ湯の歴史でかかせない人物として「鹿内 辰五郎」氏をあげることができます。彼は15才から60年間酸ヶ湯に勤務しました。明治35年の八甲田雪中行軍遭難事件など多くの遭難事件で人命救助に当たる一方、長年山の案内人をつとめ「仙人」の愛称で皆に親しまれました。「仙人風呂」とのゴロもピッタリです。

 

b.棟方 志功(版画家)

 

世界的に有名な版画家「棟方 志功」画伯も酸ヶ湯が大好きで、湯治をしながら作品を彫られたそうです。

館内に志功画伯の作(柵)となる版画・書を、多数飾ってあるのはそういった縁からとなります。

 

※絵看板写真

 

c.三浦 敬三(スキーヤー、登山家)、三浦 雄一郎(スキーヤー、冒険家、高等学校校長)親子

 

酸ヶ湯の古き良き伝統文化の「混浴」を守る目的で平成17年に発足した「混浴を守る会」の永久名誉顧問である「三浦 敬三」氏も八甲田の山をこよなく愛された方で、そのご子息である「三浦 雄一郎」氏も「八甲田は我が心のふるさと」と語り、酸ヶ湯の湯を楽しみに訪れます。

 

2.入浴体験と感想

 

・脱衣所は、男女分かれていますが、浴室は合流する混浴です。但し、男性側と女性側の仕切りで分れており、「四分六の湯」で合流する形のため、男性と女性のゾーンはある程度分れており、温泉の湯気が視界を遮ってくれます。

 

・5つの源泉の泉質は、すべて酸性・含硫黄泉であり、「療養に適した温泉」(療養泉)として効能が認められております。

 

・私は、強酸性泉が好きで、本物温泉らしさを実感させてくれます。まず、浴槽に入った瞬間、ヒバ長年吸った強酸性泉の匂いが、「本物温泉に来たぞ!」という、感激と興奮を導いてくれます。

 

 

・玉川温泉や草津温泉などの強酸性泉と比較すると、ヒバの浴槽が大きいせいか、体への負担は少ないように感じました。要するに、玉川温泉や草津温泉よりも湯あたりしずらいのではないか、という印象です。

 

・入浴は、順番通り「熱(あつ)の湯」、「四分六の湯」、「冷の湯」、「滝の湯」の湯船に、順に浸かってみました。これにより、血行を促し体温がポカポカになり、免疫力を高め細胞を活性化されます。

 

・私は、湯治部の方ではなく、宿泊部の方に宿泊しましたため、朝夕の食事が付きましたが、次回は、湯治部に宿泊し、共同の炊事場で調理して、湯治したいと思います。

 

3.場所と酸ケ湯温泉のHPリンク

 

酸ケ湯温泉は、青森県の十和田八幡平国立公園の北部、八甲田の主峰大岳の西麓に位置し、標高約九百メートルの清涼な高地にあります。にあります。住所は、「青森県青森市荒川南荒川山国有林酸湯沢50番地」です。

 

酸ケ湯温泉ホームページ

国民保養温泉地 酸ヶ湯温泉旅館【公式サイト】
八甲田山中の温泉宿「酸ヶ湯」の公式サイト。湯治の方法や観光情報などを紹介。ホームページからのご予約、酸ヶ湯名物の通信販売も行っております。

 

以上

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